酸化ストレスとは、
活性酸素が体内で過剰に発生し、抗酸化力とのバランスが崩れて、細胞や組織が酸化ダメージを受けている状態のことです。
簡単に言うと活性酸素が多すぎて、体の細胞がサビて傷んでいる状態
活性酸素の「発生量」> 抗酸化システムの「中和力」
このバランスが崩れると、細胞内のDNA・脂質・タンパク質などが酸化されて壊れるこれが酸化ストレス状態。
老化・病気の原因の一つとしてとても重要な概念です。
酸化ストレスによる影響
老化 | シワ・白髪・視力低下などの加速 |
慢性疾患 | 動脈硬化、糖尿病、アルツハイマー病、がんなど |
遺伝子損傷 | 細胞が変異を起こし、がん化するリスク上昇 |
メンタルへの影 | 脳の酸化 → うつ、認知機能低下などの一因に |
酸化ストレスが続くとどうなる?
酸化ストレスが長期間続く(慢性化)すると、体内の細胞や組織がじわじわと傷つき続け、さまざまな病気や老化の進行に関わることが分かっています。
- 1. DNAや細胞の損傷 → がんのリスク増 活性酸素がDNAを傷つけると、遺伝子の異常が起き、がん細胞が生まれる原因に。:大腸がん、肺がん、胃がんなどに関係。
- 2. 動脈硬化 → 心筋梗塞・脳梗塞のリスク上昇 血管の内皮が酸化でダメージ → コレステロールがたまりやすくなる 動脈が硬く・細くなる → 心臓病や脳血管障害の原因に。
- 3. 認知症・アルツハイマー病の進行 脳の神経細胞も酸化ダメージに弱い 記憶力・集中力の低下、認知症の発症や悪化に関係
- 4. 加齢の加速(老化現象) 肌のシミ、シワ、白髪、筋力低下など 体全体の「サビ」=老化が早く進む
- 5. 糖尿病や肥満の悪化 インスリンの働きを酸化が妨げ、血糖値のコントロールが悪くなる 内臓脂肪の炎症を促し、メタボリック症候群にもつながる
- 6. 免疫力の低下・感染症への弱さ 酸化により免疫細胞もダメージ → 風邪をひきやすくなる、治りにくい
何が原因で酸化ストレスが増える?
- 紫外線(UV)、放射線
- 喫煙、アルコール
- 大気汚染、農薬
- 精神的ストレス
- 睡眠不足、過労
- 高血糖や炎症
血糖値急上昇(高血糖・スパイク)の影響
脳への影響:
- 酸化ストレスの増加
高血糖になると、血液中のブドウ糖が過剰に脳に入り、グルコース代謝が過剰活性化 → 電子伝達系で活性酸素が大量発生します。 - 慢性炎症や神経損傷
酸化ストレスは神経細胞にダメージを与え、記憶や認知機能の低下を引き起こすことも。
🔹 1. 酸化ストレス → 免疫系刺激
- はい、**酸化ストレス(ROSの蓄積)**は、細胞障害を引き起こし、免疫細胞(特にマクロファージやミクログリア)を活性化させます。
- この際、NF-κBなどの転写因子が活性化 → **炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-α、IL-6など)**の産生が誘導されます。
🔹 2. サイトカイン → 疾病行動(sickness behavior)
- 正しいです。これらの炎症性サイトカインは脳にシグナルを送り、疾病行動(疲労感、無気力、食欲低下、眠気など)を誘発します。
- 進化的には感染防御の反応ですが、慢性化すると害になります。
🔹 3. 疾病行動 → 神経性炎症
- サイトカインは血液脳関門(BBB)を通過・あるいは間接的に脳内のミクログリアを活性化。
- これが**中枢神経系の慢性炎症(神経性炎症)**につながります。
🔹 4. 神経性炎症 → 神経変性・認知障害
長期的にはアルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、認知症などのリスクを高めます。
ミクログリアの過剰活性は神経細胞のアポトーシス、シナプス喪失、ミトコンドリア障害などを引き起こし、
全体の因果関係の流れ
血糖変動(急上昇 or 低血糖)
↓
酸化ストレス(ROS増加)
↓
免疫系活性化(炎症性サイトカイン分泌)
↓
疾病行動(疲労、無気力)+ 神経性炎症
↓
神経変性疾患・認知機能障害(長期的)
活性酸素」と「酸化ストレス」はよく似た言葉ですが、意味と役割は異なります。
一言で区別すると
- 酸化ストレス=「活性酸素が過剰になって起こる細胞ダメージの状態(結果)」活性酸素が多すぎて、細胞が傷ついている状態
- 活性酸素=「酸化力の強い物質(原因)」「酸化する物質」の事
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