■ 本当にやりたいこと
私たちは日々、仕事や人間関係、社会の期待に応えることに追われ、「自分が本当にやりたいことって何だろう?」とふと立ち止まることがあります。
でも、その答えは意外と簡単には見つかりません。なぜなら、私たちは知らないうちに「こうあるべき」「これが正解」といった常識や他人の目に縛られ、自分の本音を押し込めてしまっているからです。
本当にやりたいことは、誰かから与えられるものではなく、すでに自分の中にあるもの。
それは、ふとしたときに夢中になってしまうこと、何気なく選んでしまうこと、心が動いた瞬間の中に隠れています。
ここでは、そんな「自分の本音」に気づくためのヒントをいくつか紹介します。
本当にやりたいことは「失敗体験」の中にある
失敗体験の中にこそ、自分の本音や情熱が隠れている「もう一度やりたい」「悔しい」と思ったことは、心の声に近い成功体験は「評価される自分」で選んでしまうことがある
多くの人が、「自分に向いていること」や「やりたいこと」は成功した体験から見つけようとします。
でも実は、本当の情熱や本音は、うまくいかなかった経験の中に隠れていることが少なくありません。
失敗しても「またやりたい」と思ったことは、心が動いた証
何かにチャレンジして失敗したとき、多くの人はそれを「向いていなかった」「ダメだったこと」として終わらせてしまいます。
でも、失敗したのに心のどこかで「もう一度やりたい」「やっぱり好きだった」と思えることがあれば、それこそがあなたにとっての「本当にやりたいこと」のヒントです。
なぜなら、人は興味がないことには失敗しても何も感じません。
でも「悔しい」「諦めたくない」と思えるのは、心が動いた証拠だからです。
成功体験は「評価される自分」で見てしまいやすい
一方で、成功体験には「周りに認められた」「結果が出た」という要素があるため、
つい他人の評価に自分を合わせてしまいがちです。
そのため、本当はそんなにやりたくなかったことでも、
「うまくいったから続けている」という状態に気づかないまま進んでしまうことがあります。
理想の自分を描くために
私たちは、「これは正しい」「これは危ない」「これは成功と失敗を分ける」というような考えを、家庭・学校・社会から自然に刷り込まれながら育ってきました。
そのため、「制限がない」状態でも、自分の思考には見えない制限(=思い込み・前提)がかかっているのです。
「もし何の制限もなかったら、何がしたい?」
この問いは一見、自由で理想的な自分を描くきっかけになりそうですが、実際には、無意識にこれまでの常識や価値観の枠の中で考えてしまうことが多いものです。
理想の自分を描くには、「何ができるか」や「何が正解か」ではなく、
「何に惹かれたのか」「何をあきらめたのか」という感情の痕跡をたどることが大切です
人に言えなかった願望にこそ、本音がある
私たちは日々、SNSや周囲の価値観、社会の常識に触れながら生活しています。
その中で「成功とはこういうもの」「幸せはこうあるべき」という無意識の刷り込みを受け、
気づかないうちに、自分の目標すら他人がつくった基準に合わせてしまうことがあります。
他人が作った理想ではなく、「心が静かに反応する願い」に耳を傾けること。
そのためには、まず「誰にも見せない本音」に目を向ける勇気が必要です。
- 本当はどう生きたい?
- 誰の目も気にしなかったら何をしたい?
- 子どものころ夢中になったことは何だった?
そんな問いかけから、自分だけの目標が少しずつ浮かび上がってきます。
「言えなかった願望」にこそ、自分の本当の人生の軸が眠っています。
それを掘り起こすことが、心から満たされる未来をつくる第一歩です。
相反する感情
外側の願望は満たされているのに、なぜ満たされないのか
人生に物足りなさを感じるのに、表面的には満たされているという状態には、相反する感情が発生しています。
人の心には、一つの物事に対して矛盾した感情が同時に存在することがあります。
- 「今の生活に感謝しているけど、どこか退屈」
- 「安定していて幸せなはずなのに、何かが足りない」
- 「夢を叶えたはずなのに、心は不安定」
- 好きだけど、怖い
→ 恋愛において相手に強く惹かれながら、傷つくのが怖くて距離を取りたくなる - やりたいけど、不安
→ 転職したい気持ちがあるのに、「失敗したらどうしよう」と踏み出せない - 自由になりたいけど、安心も欲しい
→ 自由な生き方に憧れる一方で、安定した職や収入を手放せない
これらは矛盾しているようで、どちらも「本音」であることが多いのです。
相反する感情は「弱さ」ではなく「人間らしさ」
矛盾した気持ちを持つと、「優柔不断」「自分がわからない」と不安になるかもしれません。
しかし、相反する感情は、それだけ自分の中で深く物事を感じ取っている証拠です。
むしろ大切なのは、その感情を無理にどちらかに決めつけることではなく、
「今、自分の中にはこんな気持ちも、あんな気持ちもある」と正直に見つめることです。
「あの人が嫌い」と感じるとき、本心が隠れている。
私たちが「あの人が嫌い」と感じるとき、その感情は一見ただの不快感や反感のように思えるかもしれません。しかし、その「嫌い」という気持ちは、実は自分の中にある別の感情や願望、傷ついた経験などが投影されて表れていることがあります。
感情の裏側を丁寧に見つめることで、自分でも気づいていなかった本心に気づくことができ、自己理解が深まり、人間関係に対する見方も変わってくるのです。
1. 本当はうらやましい
嫌いと感じている相手に対して、「堂々としていてムカつく」「なんであの人だけ人気なの?」という気持ちが湧いてくることがあります。しかしその裏には、「私もあんなふうに自信を持って振る舞いたい」「私ももっと人に好かれたい」といううらやましさが隠れている場合があります。
つまり、相手の魅力や強さに気づいていながらも、それを素直に認められず、嫌悪感として現れているのです。
2. 自分が我慢していることを、相手はやっている
自分はいつも我慢しているのに、相手が自由にふるまっていると、不快感を覚えることがあります。たとえば、「あの人、思ったことすぐ言いすぎ」と感じるとき、本当は自分も言いたいけど言えないという抑圧された気持ちがあるのかもしれません。
この場合、相手は自分が押し殺している「本当の自分」を刺激している存在とも言えます。
3. 本当は仲良くなりたかったのに、距離を感じてしまった
最初は好意を持っていた相手に、うまく心が通じなかったときに、「なんか嫌いかも」と感じることがあります。これは、「もっと分かり合いたかった」「拒絶されたようで悲しい」という寂しさやがっかり感が裏にある場合です。
拒絶されるのが怖くて、自分から距離を取ってしまった結果、「嫌い」という感情で自分の気持ちを守っているとも考えられます。
■.嫌だと思う感情は自分が本当は欲しい物である可能性がある事を知る。
「嫌い」という感情の裏には、実は多くの本心や心の叫びが隠れています。それは、嫉妬や不安、自分を守るための防衛、過去のトラウマなど、心の奥深くにある繊細な感情です。
ついやってしまうこと・つい買ってしまう物に、あなたの「本当に好き」が隠れている?
私たちは、「これがやりたい」「あれが欲しい」と未来の理想を思い描こうとしますが、本当に大切なのは、過去の自分が何にお金や時間を使ってきたかに目を向けることです。
何気なく繰り返してしまう行動、ついつい夢中になってしまった趣味、気づけば集めてしまったモノたち──それらはすべて、あなたの「好き」や「興味」「価値観」の証です。
未来の目標を無理に決めるより、すでに過去に繰り返しやっていたこと、お金や時間を惜しまず注いでいたものに注目すると、自然と「自分が大切にしているもの」や「夢中になれること」が見えてきます。
未来に何をしたらいいか分からないときこそ、自分の過去を振り返ることが、やりたいことを見つけるためのいちばんのヒントになるのです。
「お金が稼げるか」より、「ノンストレスでいられるか」が大切
──自分が本当にやりたいことを見つけるために
多くの人が「どの仕事ならお金になるか」「どうすれば成功するか」を基準に人生を考えがちです。
でも、本当に大切なのは、自分がそのことをしていて心地よく、ストレスを感じないかどうかです。
たとえ収入が高くても、毎日が苦痛だったり、心がすり減るような働き方では、長く続けることも、自分らしく生きることもできません。
自分の「本当にやりたいこと」は、無意識の中に隠れている
私たちがつい時間を忘れて没頭してしまうこと、つい手に取ってしまうモノには、自分の「本当に好き」や「心が求めているもの」が隠れています。
それは、他人の評価や社会の常識とは関係なく、自分の内側から湧いてくる純粋な欲求の表れです。
また、「あの人が嫌い」と感じるとき、その感情の裏には、しばしば本音や願望が潜んでいます。
たとえば、自由に振る舞う人への嫌悪感の裏に「自分もそうありたい」という思いがあるように、感情はあなたの心の鏡でもあります。
さらに、私たちは知らず知らずのうちに、一目や社会の期待を気にして、自分の欲求を押し殺してしまうことがあります。
「こんなこと言ったら変に思われるかも」「夢見すぎだと言われるかも」――そんな気持ちから、本当の願いを自分自身にも隠してしまうのです。
でも、本当に自分らしい人生を歩むためには、その隠された願望や感情に目を向けることがとても大切です。
つい夢中になること、強く反応してしまう感情、人には言えなかった願い。
そのすべてに、あなたの「本当にやりたいこと」へのヒントが眠っています。
コメント