私たちが日々口にしている食品。そのおいしさや保存性、見た目の美しさは、実は見えない工夫によって支えられています。スーパーで手に取ったパンやハム、ジュースの裏面を見ると、聞き慣れない名前の「添加物」がずらりと並ぶことがあります。「体に悪そう」と感じる人もいれば、「よくわからないけど入っているもの」と気にしない人もいるかもしれません。
しかし、この見えない調味料たち――食品添加物は、単なる保存料や甘味料にとどまらず、食品そのものを素材として成立させるための重要な役割を担っています。味、香り、食感、見た目、安全性。どれか一つ欠けても、私たちの食生活は大きく変わってしまうでしょう。
食品添加物
食品添加物は、食品の製造・加工・保存の過程で使用される物質であり、食品の品質を保ち、安全性や美味しさを高めるために利用されます。
安全性評価と使用基準による4区分と目的・機能による4分類
日本では、食品衛生法に基づき、添加物はその安全性評価や使用基準の有無によって、以下の4区分されています。
- 指定添加物
- 既存添加物
- 一般飲食物添加物
- 天然香料
食品添加物が食品の中でどんな役割を持つかで大きく4つに目的・機能による分類以下の4分類されています。
- 保存料(防腐剤)
- 品質保持剤(酸化防止剤など)
- 調味料・香料
- 加工助剤・その他
食品添加物 安全性評価と使用基準による「4つの区分」
①指定添加物
指定添加物とは食品衛生法に基づき、厚生労働大臣が「人の健康を損なうおそれがない」と指定した食品添加物のことです。これは、化学的に合成されたものも、天然のものも含まれます. 食品添加物として使用できるのは、原則としてこの指定添加物だけです.
- 法律にもとづく「国が認めた」添加物
- 化学的に合成されたものだけでなく、天然のものもふくまれる
- 安全性の確認(動物実験や各種審査)を経てから「指定」される
- 一度指定された後も、新たな科学的根拠によって見直されることがある
食品添加物として使えるのは、原則この「指定添加物」だけ
つまり、「食品に使ってよい添加物」は勝手に決められるものではなく、
安全性がしっかり確認されたうえで、厚生労働省によって正式に「指定」されたものしか使うことができません。
②既存添加物
既存添加物とは日本で長く使用されてきた実績があり、厚生労働省が「既存添加物名簿」に収録した食品添加物のことです。指定添加物とは異なり、特に安全性の再確認などが求められない、長年使用されてきた実績のあるものに対する呼び方です。
既存添加物と指定添加物とのちがい
比較項目 | 既存添加物 | 指定添加物 |
---|---|---|
根拠 | 使用実績 | 科学的データに基づき国が指定 |
安全性評価 | 再確認不要(原則) | 審査・評価を経て認可 |
主な由来 | 天然の成分が多い | 合成または天然の両方あり |
名簿 | 既存添加物名簿(約360種) | 指定添加物リスト(約400種) |
既存添加物とは、日本で昔から使われてきた安全性の実績がある食品添加物であり、
厚生労働省がその使用を認めて「既存添加物名簿」に収録しています。
科学的な再審査が不要とされる点で、新たに審査される「指定添加物」とは異なる扱いになります。
③一般飲食物添加物
食品添加物とは一般に食品として食べられているものが、そのままの形で添加物として使われるものです。
つまり、普段から食べている酢・でんぷん・寒天などを、食品加工の目的(酸味をつける、固めるなど)で使う場合、添加物として扱われます。
一般飲食物添加物 | 用途 | 例 |
---|---|---|
食酢 | 酸味付け、防腐 | 酢の物、漬物など |
寒天 | ゲル化、増粘 | ゼリー、和菓子など |
澱粉(でんぷん) | 増粘、安定化 | スープ、ソースなど |
食塩 | 味付け、防腐 | 加工食品の味付け |
砂糖 | 甘味、保存 | ジャム、飲料など |
④天然香料
天然香料とは自然界に存在する植物・動物などから得られる「香りの成分」を抽出・精製したものです。
食品に風味や香りをつけるために使用され、天然素材から得られるため、人工的に合成された香料とは区別されます。
香料の種類 | 原料 | 用途例 |
---|---|---|
バニラ香料(バニリン) | バニラビーンズ | アイスクリーム、クッキー |
レモン精油 | レモンの皮 | 清涼飲料水、キャンディ |
ミント香料 | ハッカ(ミント) | チョコレート、ガム |
シナモン香料 | シナモン樹皮 | 焼き菓子、紅茶フレーバー |
■天然添加物
天然添加物とは、天然由来の食品添加物で自然界に存在する植物・動物・鉱物・微生物などから抽出された成分を使った食品添加物のことです。
食べものに「香り」や「色」をつけたり、保存性を高めたりするために使われます。
- 天然添加物は、自然界の植物や動物などからとれる成分で、古くから使われてきた安心感がある。
- 香り・色・甘み・保存など、見た目や風味、品質を整えるための補助的役割を持つ。
- 「天然=完全に安全」ではなく、量や使い方には注意が必要。
天然添加物の特徴 | 内容 |
---|---|
自然由来 | 化学的に合成されたものではなく、もともと自然に存在する成分から作られる |
使用目的 | 食品に風味や色を加える・保存性を高める・酸化を防ぐ など |
比較的なじみ深い | 古くから使われているものが多く、伝統的な調理でも用いられてきた |
天然添加物は「自然由来」ではありますが、必ずしもすべてが安全というわけではありません。
天然でも、体質によってはアレルギーや反応を起こす場合があります。
そのため、天然添加物も含めて、適切な量と使い方が大切です。
天然香料と天然添加物
天然香料と天然添加物:項目 | 天然香料 | 天然添加物(天然由来) |
---|---|---|
主な目的 | 食品に香りをつける | 食品に色・保存性・甘味などを与える |
原料 | 植物・果実・動物など | 植物・動物・微生物など |
用途の範囲 | 香りづけのみに限定 | 着色・保存・甘味・増粘など多目的 |
例 | バニリン、レモン精油、ミント油など | クチナシ色素、甘草、ローズマリー抽出物など |
使用される分類上の位置 | 添加物の中で「天然香料」として別扱い | 主に「既存添加物」や「一般飲食物添加物」として扱われることが多い |
天然香料は「香りづけ専門」の天然成分。
天然添加物は「香り以外の目的(色・保存・甘味など)」で使う天然由来の成分。
食品添加物の目的・機能による分類「4つの分類」
食品添加物は、食品の安全性や保存性を高め、風味や見た目を良くするために使用される物質であり、その目的に応じて大きく4つに分類されます。
①保存料
保存料(防腐剤)は食品が細菌やカビなどの微生物によって腐敗するのを防ぐために使われる添加物で、食品の保存期間を延ばす役割があります。
②品質保持剤
品質保持剤(酸化防止剤など)は、食品中の油脂や成分が酸化して変質・変色したり、栄養価が低下するのを防ぐために使われ、食品の品質を保つのに役立ちます。
③調味料・香料
調味料・香料は、食品に味や香りを付けて、風味を向上させるための添加物であり、甘味料もこの分類に含まれます。食べ物の美味しさを引き出す役割を担っています。
④加工助剤・その他
加工助剤・その他には、食品の加工をしやすくしたり、食感や見た目を改善するための添加物が含まれます。代表的なものには、増粘剤、着色料、乳化剤などがあり、食品の安定した製造や品質向上に貢献しています。
保存料(防腐剤)とは
食品が細菌やカビなどの微生物によって腐敗するのを防ぐために使われる添加物で、食品の保存期間を延ばす役割があります。
保存料が必要な理由は、食品の安全性と保存性を保つためです。
食品は、時間の経過とともに細菌やカビ、酵母などの微生物が繁殖しやすくなり、腐敗や変質が進みます。これにより、見た目や味が悪くなるだけでなく、食中毒の原因となる有害な菌や毒素が発生する危険性もあります。
特に、パンやお惣菜、ジュース、漬物、ソース、菓子類などの加工食品は、常温保存や流通・販売期間の延長が求められるため、微生物の制御が重要になります。こうした状況で活躍するのが保存料です。
保存料は、微生物の増殖を抑える働きがあり、食品の腐敗を防ぎ、品質を長期間安定させることができます。その結果、製造から消費までのあいだ、食品を安全に流通・保存できるようになります。
また、保存料の使用によって食品ロスの削減にもつながり、衛生面だけでなく環境や経済の面でも重要な役割を果たしています。されることが多いです。
主な保存料の種類と特徴:添加物名 | 特徴・用途例 |
---|---|
ソルビン酸(カリウム塩) | カビ・酵母の増殖を抑制。パン、チーズ、漬物などに使用される。 |
安息香酸ナトリウム | 酸性食品(ジュースや清涼飲料)で細菌の増殖を抑える。 |
プロピオン酸(ナトリウム塩など) | 食パンやケーキなどのカビ防止。 |
パラオキシ安息香酸エステル(パラベン) | 化粧品にも使われる防腐剤で、清涼飲料やジャムなどにも使われる。 |
亜硫酸塩 | ドライフルーツやワイン、ジュースに使用。漂白作用もあり。 |
品質保持剤
食品中の油脂や成分が酸化して変質・変色したり、栄養価が低下するのを防ぐために使われ、食品の品質を保つのに役立ちます。
品質保持剤が必要な理由は、食品の酸化や変質を防ぎ、品質や安全性を長く保つためです。
食品には、酸素や光、熱、湿気などの影響を受けて酸化や化学的な変化を起こしやすい成分(特に油脂やビタミン、色素など)が多く含まれています。たとえば、油を使った食品が酸化すると嫌なにおい(油の劣化臭)を放ったり、野菜ジュースや果物などが変色して見た目が悪くなることがあります。
こうした酸化や変色は、食品の味・香り・見た目・栄養価を損なうだけでなく、場合によっては体に有害な物質が発生するリスクもあります。
そこで使われるのが品質保持剤です。これらは、食品中の成分が空気中の酸素と反応するのを防ぎ、酸化による劣化を抑える働きをします。
たとえば、ビタミンC(アスコルビン酸)やビタミンE(トコフェロール)などは、酸化防止剤として広く利用されています。
品質保持剤を使うことで、食品の鮮度や風味を長く保ち、流通や保存の間も安全でおいしい状態を維持することが可能になります。
添加物名 | 主な役割・特徴 | 使用される食品例 |
---|---|---|
アスコルビン酸(ビタミンC) | 酸化を抑える。天然にも存在。 | 肉製品、ジュース、カット野菜など |
トコフェロール(ビタミンE) | 油脂の酸化防止に有効。 | サラダ油、スナック菓子など |
BHA・BHT | 強力な酸化防止作用。 | 加工食品、マーガリンなど |
エリソルビン酸 | 色の変化を防止。 | 缶詰、ソーセージなど |
クエン酸 | 酸化防止とpH調整の両方に使われることもある。 | 飲料、ゼリー、ジャムなど |
調味料・香料
調味料・香料は、食品に味や香りを付けて、風味を向上させるための添加物であり、甘味料もこの分類に含まれます。食べ物の美味しさを引き出す役割を担っています。
調味料や香料は、食品の味や香りを整え、美味しさや食欲を引き出すために必要な添加物です。
食品は加工・保存の過程で、本来の風味が弱まったり、素材のにおいや苦味が出たりすることがあります。そうした場合に、調味料や香料を加えることで、食品をよりおいしく、魅力的に仕上げることができます。
また、現代の食品には安定した品質や風味が求められます。大量生産された食品でも一定の味を保ち、多くの人に好まれるようにするためには、調味料や香料の働きが欠かせません。
とくに香料は、ごく微量でも食品の印象を大きく左右するため、お菓子、飲料、加工食品などに幅広く使われています。
一方、調味料には甘味料や旨味成分などが含まれ、風味のバランスを整える役割を果たします。
甘味料
甘味料は「調味料・香料」の分類に含まれ、食品に甘みをつける役割を持っています。
甘みをつける作用をもつ食品と添加物には、天然由来のものから化学的に合成されたものまでさまざまあります。
①糖質系甘味料(天然の甘味食品)
自然界に存在する、もっとも基本的な甘味成分です。
名称 | 特徴 | 例 |
---|---|---|
ショ糖 | 一般的な砂糖。甘味が安定して強い。 | 上白糖、グラニュー糖など |
ブドウ糖 | 単糖類で吸収が早く、甘さはやや控えめ。 | 水あめ、でん粉糖など |
果糖 | 自然界で最も甘味が強い糖。果物に多く含まれる。 | はちみつ、果物など |
乳糖 | 牛乳由来の糖。甘さは控えめ。 | ミルク、乳製品 |
麦芽糖 | やさしい甘さで、焼き菓子などに使用される。 | 水あめ、味醂など |
名称 | 特徴・用途 |
---|---|
砂糖(上白糖・グラニュー糖) | サトウキビやテンサイ由来の代表的甘味食品。加熱調理や菓子全般に使用。 |
蜂蜜(はちみつ) | ミツバチが作る天然甘味。ビタミンや酵素も含み、喉のケアなどにも利用。 |
メープルシロップ | カエデの樹液から作られる。コクのある風味が特徴。 |
黒糖(含蜜糖) | サトウキビを煮詰めて作る未精製の砂糖。ミネラルを多く含む。 |
果物・果汁 | 果糖を多く含む。りんご、バナナ、ぶどう、デーツなど。 |
②人工甘味料(食品添加物としての甘味料)
人工甘味料とは、科学的に合成して作られた甘味成分で、ごく少量で強い甘さを持ち、カロリーがほとんどゼロなのが特徴です。
砂糖の数百倍以上の甘さを持ちながら、体内でほとんど代謝されずエネルギーにならないため、ダイエットや糖質制限食品、糖尿病対応食品などに広く使われています。
名称 | 甘さ(砂糖の◯倍) | 特徴 | 用途例 |
---|---|---|---|
アスパルテーム | 約200倍 | 自然な甘さ、熱に弱い。PKU患者は摂取制限あり。 | 清涼飲料、ゼリー、ガム |
スクラロース | 約600倍 | 安定性が高く、加熱にも強く、クセが少ない。 | 焼き菓子、ジュース、プロテイン |
アセスルファムK | 約200倍 | 苦みを感じやすいため、他の甘味料とブレンドして使う。 | 炭酸飲料、ガム、乳飲料 |
サッカリン | 約300倍 | 古くから使われており、少し苦味がある。 | 特定保健用食品、ダイエット食品 |
ネオテーム | 約7,000〜13,000倍 | 非常に強力な甘さ。熱・酸に強く、極微量で使用可能。 | 加熱食品、ゼロカロリー飲料 |
過剰摂取には注意:腸内環境への影響や、味覚の鈍化などが指摘される場合があります
③糖アルコール系甘味料(食品添加物としての甘味料)
キシリトールやエリスリトールなど、糖の一種ですが消化吸収がゆっくりで、カロリーが砂糖より低い特徴があります。虫歯になりにくい甘味料としても知られています。
糖アルコールは、糖類(ブドウ糖や果糖など)を還元して得られる化合物です。構造的には「糖」と「アルコール」の性質を併せ持っていますが、実際のアルコール(エタノールなど)とは別物です。
名称 | 甘さ(砂糖=100) | カロリー(kcal/g) | 特徴 |
---|---|---|---|
キシリトール | 約100 | 約2.8 | 天然にも存在。口に入れると清涼感あり。虫歯予防ガムに多用。 |
エリスリトール | 約70 | 0〜0.2 | ほぼカロリーゼロ。血糖値にほとんど影響なし。体に吸収され尿中に排出。 |
ソルビトール | 約60 | 約2.6 | 果物などに含まれる。保湿性が高く加工食品に使用。 |
マルチトール | 約75 | 約2.1 | 加工性が良く、焼き菓子などにも使われる。甘みがまろやか。 |
ラクチトール | 約40 | 約2 | 整腸作用があり、便秘対策製品にも利用される。 |
④天然由来の高甘味甘味料(食品添加物としての甘味料)
天然由来の高甘味甘味料とは、植物や果実など自然素材から抽出される甘味成分で、砂糖の数百倍〜数千倍の甘さを持ちながら、カロリーはほとんどゼロという特徴を持つ甘味料です。
合成された人工甘味料と違い、「天然素材から作られている」ことから、自然派・健康志向の人々に好まれ、清涼飲料水、ダイエット食品、サプリメント、糖質制限食品などに広く利用されています。
主な天然高甘味甘味料の種類と特徴:名称 | 甘さ(砂糖比) | 特徴 | 使用例 |
---|---|---|---|
ステビア | 約200〜300倍 | 南米原産の植物「ステビア」から抽出。クセのある後味があるが改良品も多い。 | 清涼飲料、菓子、ヨーグルトなど |
ラカンカ(羅漢果) | 約150〜300倍 | 中国原産の果実。甘味成分は「モグロシド」。自然でさっぱりとした甘みが特徴。 | ダイエット飲料、糖質制限食品 |
ソーマチン | 約1,500〜2,500倍 | 西アフリカの果実由来。タンパク質甘味料で熱に弱く、高価なため利用は限られる。 | ガム、特殊食品など |
モネリン | 約3,000倍 | フルーツ由来の甘味タンパク質。酸性条件で甘さを強く感じる。珍しく高価。 | 医療用、研究用など |
サリニン | 約400倍 | アフリカ植物由来の甘味タンパク質。実用化は限定的。 | 一部の健康補助食品 |
甘味料はドーパミンを分泌させるのか?
甘味料は、脳内で「快感」や「報酬感」を引き起こす神経伝達物質、ドーパミンの分泌を刺激することがあります。ドーパミンが過剰に分泌されると、「また食べたい」→「習慣化」→「依存」に発展するリスクがある。
私たちの脳には、報酬に関係する「報酬系(報酬回路)」と呼ばれる神経ネットワークがあります。これは、狩猟採集時代から続く「食べ物=生存に必要なエネルギー」としての重要性に基づくものです。
特に甘味は、カロリー源=エネルギー源として最も重要だったため、甘いものを口にしたときに脳が「これは良いことだ!」と判断し、ドーパミンを分泌するしくみができあがっています。
砂糖などの糖類を含む食品を摂取すると、以下のような流れが起こります:
- 舌が甘味を感じる(味覚)
- 脳が「報酬」と認識してドーパミンを分泌
- 満足感・快感・やる気・注意力の向上
- 脳が「また食べたい」と記憶
この反応は、人が「甘いものを好きになる」生物学的な理由でもあり、さらに習慣化・依存傾向につながることもあります。
加工助剤・その他
「加工助剤」および「その他(キャリーオーバーなど)」は、食品添加物の中でも特殊な扱いを受けるもので、一般の添加物(調味料・保存料など)とは分類や表示の扱いが異なります。それぞれ詳しく説明します。
加工助剤とは、食品の製造過程で使用されるが、最終製品には残存しないか、ごく微量しか残らない物質」です。
その他(キャリーオーバーなど)原材料に含まれていた添加物が、製造後の最終食品に「意図せず残る」もののこと。
加工助剤・キャリーオーバー | 加工助剤 | キャリーオーバー |
---|---|---|
どこで使う? | 製造工程中 | 原料にすでに含まれていた |
目的 | 製造を助ける・加工をしやすくする | 原材料の添加物が結果的に残る |
最終製品での働き | なし(役目を終えて消える) | なし(働いていない) |
表示義務 | なし | なし(条件付き) |
食品への影響 | 極めて少ない | 極めて少ない |
安全性 | 使用量や残留量を規制 | 微量で健康に影響なし |
なぜ表示されないの?
- 加工助剤もキャリーオーバーも、食品そのものの味・品質・安全性に関わらない
- 添加物が働くのは「一時的」または「間接的」なもので、最終的には作用していない
- 健康へのリスクが非常に小さいと国が判断しており、表示義務は免除されています
加工助剤やキャリーオーバーは、食品の製造を効率よく、安全に行うための裏方の存在です。私たちが口にする食品の安全性は、こうした技術や規制に支えられているのです。
ご希望があれば、「加工助剤として認められている一覧表」や「キャリーオーバーと表示ルールの例外」などもご案内できます
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