デジタルネイティブとは、
生まれたときからデジタル技術(インターネット、スマートフォン、SNS、ゲームなど)が身近にある環境で育った世代のことを指します。
デジタルネイティブの特徴
項目 | 内容 |
---|---|
デジタル環境 | 幼少期からスマホ、PC、インターネットに親しんでいる |
情報処理 | マルチタスク、画像・動画・短文に強い(テキスト長文には弱い傾向) |
コミュニケーション | SNSやメッセージアプリを通じた非対面の交流が自然 |
娯楽 | ゲーム、動画、配信コンテンツ中心の余暇 |
学習スタイル | インタラクティブな学習や動画コンテンツを好む |
デジタルネイティブは「気が散りやすい」
デジタルネイティブは「気が散りやすい」傾向があると多くの研究で指摘されています。これは脳の特性が変化しているからとも考えられています。
1. 常に複数の情報にさらされている
- SNS、LINE、YouTube、ゲーム、通知など、同時に複数の情報を受け取る環境で育っています。
- この結果、「注意を持続して1つのことに集中する」ことが難しくなりやすい。
特に、脳の前頭前皮質(注意制御や衝動の抑制に関わる領域)の発達が、断続的な刺激の多い環境で鍛えられにくいことが関係しています。
2. マルチタスクに慣れすぎている
- 同時に複数のことをする「マルチタスク」に慣れている人ほど、集中力が低下しやすいことが分かっています。
- 実際には、脳は「同時並行」ではなく「超高速の切り替え」をしているため、認知的な疲労が蓄積しやすくなります。
3. 報酬系(ドーパミン系)が刺激過多
- SNSの「いいね」、通知、ゲームの報酬などは、ドーパミン系を刺激して、すぐに気持ちよさを得る習慣をつけます。
- これにより、退屈・単調な作業(読書・勉強など)に耐えにくくなる傾向があります。
4. 静かな環境への耐性が低下
- ずっと音・光・動きに囲まれていると、「静かで変化のない環境」が逆に落ち着かないと感じてしまうことがあります。
- そのため、読書、授業、会話などで気が散りやすくなります。
対義語:「デジタルイミグラント」
- デジタル技術が一般化した後にそれを学んだ世代
- 生まれたときはアナログ中心(紙の本、手書き、電話など)
- ITに適応しているが、使い方や感覚には「移民」的なギャップが残る
教育・社会での意義
- 教育現場では、「デジタルネイティブだからITに強い」と誤解されがちですが、単なる慣れであって“理解やリテラシーが高い”とは限りません。
- 情報の信頼性やリスク(ネット依存、SNS疲労、フェイクニュース)を判断するための「デジタル市民性」や「情報倫理」**が重要視されます。
何年生まれからがデジタルネイティブ
明確な線引きはありませんが、一般的には:
- 1990年代後半〜2000年代以降に生まれた世代
- 日本では「ゆとり世代以降」「Z世代」「α世代」などが重なります
補足:デジタルネイティブは「脳の使い方」が異なる?
- デジタル情報に囲まれて育つことで、注意の移動が早い、視覚処理に強いなどの脳の特性が強くなるという説があります。
- 一方で、集中力の持続、深い読解力、記憶の定着には課題も。
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